この業界の聞いた小話
- さのはりきゅう整骨院
- 12月18日
- 読了時間: 5分
この業界
修業時代は非常にハードでした。同級生と話をしてもその方々もハードだったと言います。この業界は基本的には体育会系なのかもしれません。蛍光灯の下で白衣を着てさわやかな印象かもしれませんが、その割にはかなり重い現実がありました。それについての同年代たちの小話をまとめました。
昼食は10分
ある方は、「昼休みなんてないよ。昼食は10分くらいで終わらせて、すぐに現場に戻るよ」
と言います。
労働基準法が”浸透しすぎて一部では悪用にも似た使い方をする人がいる”今では考えられないかもしれませんが、絶対的な上司と先輩方がいて”緊迫した職場の雰囲気”ならそうするしかありません。はみ出れば、解雇です。
無言のプレッシャーの中の掃除
ある方は毎日の掃除がおっくうで嫌だったと漏らしていました。過緊張かつ過度のプレッシャーの毎日ですと、大勢で仕事をするさいに自然に人間関係もギスギスするのでしょう。毎日が灰色だったと言っていました。
正論を言って解雇
ある方は「これは絶対に○○した方がいいと思います」と上司に意見したそうです。
私もその意見に賛成です。その方はその日のうちに解雇されました。
その方がそこに入って1ヶ月くらいの出来事だったと思います。決して仲のいい人ではなかったけど、それを聞いて切なくなりました。その場の状況下でのTPOも絡んでいたのかもしれませんが。
もう1か月休んでいない
ある方は、「もう1か月休んでいない。これが何回かある。聞いている話と違うし もうやめたいけど、入って6か月以内でやめると次の就職先に悪い印象を与えて内定をもらえないから辞められない」と嘆いていました。
逆にこの謎の6か月ルールをうまく利用する人もいました。その方曰く「いろんな職場を見て回りたいから、あらかじめ6か月でやめると面接で言っておく」らしいです。お勧めできるやり方ではありませんが、浅くとも見聞を広げるには 一理あるかもしれません。
飛行機を見上げれば
ある方は伊丹空港に着陸する飛行機を見上げて、かなり機体が近いことに驚いたのは初めのことで、数か月もすると轟音の飛行機を見上げれば視界の端にはビルがあり、あそこから飛び降りたら楽になるだろうなと思考が徐々に重くなっていたそうです。この業界の社会人の現実があまりにも苦しかったのでしょう。その方は今も頑張っています、もうビルは見ていないと思います。
寝坊で解雇
ある方は、「きのう寝坊してクビになった」とのことでした。上司曰く「もう来なくてもいいよ」とのことだったらしくかなり落ち込んでいました。この業界の仕事は、臨機応変に次の施術場に案内、専門知識を簡単に説明、施術しながらトーク、愛嬌良く受付も対応とやることが多い上に毎日が多忙なので、たまには寝坊もあるかと思います。
(この仕事は知的な側面もありつつ体力も必要です。柔道の授業の次の日は体中痛くて、仕事中にことあるごとに痛みで集中が途切れます)
すぐに解雇できるのはよく昔聞いた「君の代わりなんていくらでもいる」状態だからと思われます。大学受験の時は倍率は3、4倍くらいありましたが、それから数年で学校が4倍に増えたので本当に代わりはいくらでもいるのでしょう。
極度の不眠症
ある方は毎日のプレッシャーとストレスに悩まされ不眠症となり、日々4時間以内の睡眠で踏ん張っていたそうです。薬を飲んでも4時間以内らしいです。交感神経が極度に過敏になり、時計の秒針が鐘のようになる毎日だったそうです。不眠症は5人に1人の割合で罹患しますが、その方はひどい方だったと思います。その方は目覚ましがないと起きられないので、目覚まし時計の音が響きやすい開けっ放しにしたトイレに置いて秒針の音を離すことでましにするようにしましたが、やはり秒針が鐘のようになったそうです。当時は確かにスヌーズ機能は珍しかったです。その方は自分の頭を殴って気絶させることも試みましたがそれでも眠れず、早朝あきらめて徹夜を覚悟したらそういう時に限って寝てはいけない時間帯に寝てしまうといいます。
毎日怒鳴られる
ある方は毎日上司に怒鳴られて疲弊していました。取り返しのつかないミスではなく、例えばペンを置きっぱなしにする程度のような小さなミスでらしいです。その方は自分自身を向上させるために上司が怒ってくれていたのだとずっと思っていたらしいです。ある時、さらに上の者がその上司を怒った時に怒鳴られる頻度が上がる法則に気づいて、ほとんど八つ当たりだったのだと悟ったらしいです。ある時、なんのミスもなく丁寧に早く誠意をもって仕事を終えた直後に上司に怒鳴られて、なんの落ち度もないと自覚したその方はにっこりと上司に微笑むとその上司は目を泳がせながら俯いたらしいです。
トイレで胸倉をつかまれる
ある方は先輩二人の指示が正反対で、どちらの指示も交互に従ったらもう一人の先輩にトイレに連れてかれ胸倉をつかまれたらしいです。その方は先輩の指示に従った後にもう一人の先輩の正反対の指示に従ったらしいです。また一方の指示がはたから見ると働いていないように見えるのが怖くてそれを避けただけらしいです。例えば「止まれ」、「動け」という指示に、その方は止まった後に動いたらしいです。
ある方の先輩曰く「人を動かすのは恐怖だ」とのこと。その方はそれを聞いてぞっとしたとのことです。
朝起きて解離現象、気づいたら夜
ある方は毎日を耐え忍ぶ生活をし続け、日曜日に這いずるように布団から出てとりあえずテレビをつけました。ハッと気づくと夜になっていたとのことです。すぐにスーパーへ買い出しに行き、貴重な日曜が何の記憶もなく終わったとのことです。辛すぎる毎日の情報処理が睡眠では全然まかないきれずにいて解離現象となったのでしょう。
日本は”空気”によって極端に変わるように見えます。昔の右から左もそう、2016年からの就労パターンもそう、絶対的教師から絶対的生徒もそう、絶対的な上司から絶対的部下もそう。ある方は部下が怖くて課長と部長と交互にその部下を車で送迎していると言います。極端です。現在は多様化で流行りがないと言われていますが、いやはや流行り癖は健在のように見えます。
中間辺りを”あそび”をもっていってほしいものです。



