典型例は運動会で久々に本気出して走る親御さん
アキレス腱とは踵の骨(踵骨隆起)につく下腿三頭筋を束ねる人体のなかで最大の腱です。これがスポーツ中の外力によって断裂することがあります。これをアキレス腱断裂といいます。
準備運動を怠ったり久しぶりにスポーツをする人に多く、中年の女性に多く発症します。また、階段の踏み外しや転倒によって発症することもありますが、これは高齢者の方に比較的多いです。
症状
症状は断裂直後に疼痛があり、歩行が不能になることはありませんが、踏み返しができなくなるため困難になります。
断裂時には何かでぶつけたれたような衝撃を感じ、ブチっと言う断裂音を自覚するときもあります。
踵をバットで殴られたようなと表現する方もいます。
また、アキレス腱の緊張がなくなるため、レリーフ(腱のつっぱり)が消失したり、下腿三頭筋をつかんでも足が曲がらなくなります。
治療
治療はまず応急的な固定を行います。断裂した腱がくっつきやすい肢位(最大底屈位)で固定し松葉杖歩行を指導いたします。その直後、エコー検査やMRI検査のため整形外科をお勧めします。
高齢者の方やレクリエーションレベルで今後スポーツを希望する方なら、保存療法でそのままの固定を約半年間(固定3ヶ月、リハビリ3ヶ月)継続しますが、青壮年者の方や競技レベルのスポーツを今後希望する方は手術をしたほうがいいでしょう。
保存療法では長期的な固定により足首の拘縮や筋力回復が長期間かかりますし、腱が延長してくっつくので70%くらいしか筋力回復が望めないからです。
また、保存療法は固定後1ヵ月後くらいに松葉杖歩行の慣れから誤って転倒し再断裂する可能性も高いので、十分に気をつけましょう。手術した場合も同じ6か月ぐらいかかりますが、比較的再断裂しにくしというメリットがあります。
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