手根管症候群とは手首の神経が圧迫されることによって、しびれや痛み出現し、力が入りにくくなる疾患です。手根管とは手首の中心にあるトンネルで正中神経、多くの腱を通しています。
そのトンネルのスペースを狭くすると、神経が圧迫されて神経症状が出てきてしまうのです。
原因として主に腱鞘炎などの筋肉や腱の索状物、まれにガングリオンなどの腫瘍、長期透析によるアミロイドの沈着、ホルモンの異常、骨折の既往などが挙げられます。
50歳以上の女性に多く、手の使い過ぎもやや関与しています。
症状
症状は手の平(親指から薬指の半分まで)の痺れや痛み、母指の膨らみが少なくなったり、握力が低下したりします。
また夜間になると痛みが増強したり、悪化すると1日中痛みが続くこともあります。また親指の筋力も落ちるので摘むといった動作がしにくくなります。
手根管内を上昇させるような徒手検査をしたり手根管を叩くと手の平に痺れ、痛みが出るようならこの疾患を疑います。
施術
施術はまず保存療法(手術以外の施術のこと)を行います。痛み緩和のために鍼通電やけいさつ法や電気をしたり軟膏を塗ったりします。通常ならこの施術法と安静に保つ工夫を日々行うことで次第に和らいでいきます。
しかしひどい場合は装具をお勧めする場合もあります。手根管が最も圧迫されにくい肢位(中間位)を保ち安静にさせます。一応夜間のみの装具装着を指示させていただきますが、できれば昼間のときも付けるようにしましょう。
(この装具をナイトスプリントと呼びますが、名前からして夜につけるものだと想像できます。もっと想像すれば"仕事が多すぎて施術できず昼の作業の負担も軽減できず部分的な安静ができなかったので、せめて夜だけでも安静にできるよう装具を付けよう"というものです。施術+安静の大切さとせめて夜だけでも装具を付けるという悩ましさがなんとなくうかがえるかと思います)
それでももっと重傷で長く痛みや痺れが続くようなら整形外科が行っているステロイド注射をお勧めするときもあります。強力な抗炎症剤で症状の消失が期待できますが、腱がもろくなり後々腱が切れるかもしれないという副作用があるので安易に注射するのは避けましょう。
手術をする決断の前の最終手段だと思ってください。
※これらのブログは素人にも分かるようにできるだけ専門用語を少なくして説明したものです。少し自身の症状に当てはまるからといって独断せずに国家資格者に相談して下さい。
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